年賀状の歴史

「お正月には、年賀状にお年玉」という風習が日本にはあります。

子供の頃から当然のようにあった年賀状という新年の挨拶状は、そもそもいつから始まった慣習なのでしょうか。

どんなこと・どんなものでも当たり前になってしまうと、それがいつから始まったのか、誰が考案したのか、すっかり気にしなくなってしまうものです。

最近では、年賀状は面倒臭い、もうやめにしてもいいのでは?という声もチラホラ聞こえてきます。

年賀状の歴史を知れば、そんな思いも変わるかも知れない?!

今回は、年賀状の歴史について調べてみました。

*この記事はPRを含みます。

年賀状の歴史は浅いけど深い!?

考える女の子

年賀状っていつからあるの?

年賀状が一般庶民の風習として定着したのは昭和になってからなので、それほど長い歴史ではありません。

現在のような年賀状になる前には、「お年賀」(贈り物)を持って直接お宅に出向いて挨拶をしていました。

一部の特権階級だけではなく、一般庶民でも行える「お年賀」の歴史は古くからあったようです。

ナイスポーズの女性

お年賀持って新年の挨拶に参りました。

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歴史①~平安時代の貴族は年始回りという習慣があった

どこまで遡れば年賀状の歴史が見えてくるかというと平安時代です。

平安時代では、貴族の間で遠くにいて会えない相手には年賀の挨拶状を送る慣習があり、これが年賀状の原型とされています。

藤原明衡(あきひら)による「雲州消息」(うんしゅうしょうそく)に年始の挨拶を含む文例が収められていて、それが現代に引き継がれていると言われています。

年賀太郎

書いたから、「雲州消息」、読んでみて

歴史②~江戸時代

江戸時代になると飛脚制度が発達して、国内での年賀状のやり取りが円滑にできるようになりました。

年賀状の転機と言えます。

飛脚制度は、人が長距離を走って手紙を届けていました。今でいう宅配便みたいなものです。

この頃は今のようなポストはなく手渡しをしていたようなので、長距離走ってきて、渡す本人や家族がいなかったらどうなるのよ~とツッコみたくなります。(^_^;)

祈る女性

必ず届けます!必ずいてね。

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歴史③~明治時代

明治時代になると、郵便制度が誕生します。

発見した女性

こんな制度作るけど、どう?

江戸時代に行われていた飛脚制度では、手紙がきちんと届かなかったり(人が走って届けていたら、途中で嫌になる人もいますよね(^^;))情報の漏洩などの問題が起きてしまったため、明治政府の前島密がイギリスの郵便制度を参考にして日本でも同じような(近代的な)制度をつくりました。

郵便はがきも発行されて、「年賀状を出す」ということが国民に定着していきます。

言い合いする女性

前島 密は通信の秘密を重視したんですって~
個人情報の保護はいつの時代も大切!

歴史④~昭和時代

昭和時代、戦争中は年賀状の取り扱いは停止されていました。

終戦後、消息の分からなくなった人の安否確認の手段として年賀状が復活します。

昭和になると、ひとつ屋根の下で暮らしていた家族や近所で集まって暮らしていた親戚が、さまざまなところで暮らし始めるようになり、直接新年の挨拶で顔を合わせることがだんだん難しくなります。

そして、「年賀状」のやりとり取りがどんどん盛んになっていきます。

歴史⑤~平成時代

2003(平成15)年に年賀状の発行枚数がピークに達しますが、インターネットなどの急激な発達により、年賀状という慣習が陰りを見せ始めるのも平成時代です。

令和時代になって、年賀状が過去の産物にならないといいなと思います。

スマホをいじる女性

面倒なことにほど意味があったりします。

年賀状の歴史~年賀はがきの発行枚数

インターネットやSNSの発達で年々年賀はがきの発行枚数は減少しています。

発行枚数のピークは、2003(平成15)年、その年の15歳以上の日本人口が約1097万人なので、単純計算で一人あたり約240枚を出していることになります。

スマホをいじる女性

ちょっと極端な計算かしら…(-_-;)

発行年発行枚数
2001年402,175
2002年390,236
2003年445,936
2004年436,774
2005年408,500
2006年379,979
2007年402,105
2008年413,684
2009年389,777
2010年382,025
2011年366,578
2012年358,730
2013年341,596
2014年330,173
2015年320,167
2016年314,208
2017年297,857
2018年255,930
2019年235,000

 

スマホをいじる女性

2009年以降、なだらかな滑り台のように下降していますね(-_-;)

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まとめ

年賀状のやりとりが一般的な風習として定着したのは昭和になってからなので、年賀状の歴史はそれほど長くはないことが分かります。

お世話になったことに感謝し、新年もよろしくお願いしますと挨拶をするための伝統文化。

年賀状という文化がない時代でも、前年の収穫を神様に感謝し、新しい年も実り豊かな年になるようにお祈りしていたのは想像がつきます。

表現のカタチが違っても、年に一度、無病息災を願う気持ちはいつの時代になっても変わらない気持ちだと思います。

これから年賀状の歴史がどのように変わっていくのか

細々とでもいつまでも残っていてほしい日本の文化です。

おまけ① ~ お年玉付き年賀はがきの歴史は?

お年玉付き年賀はがきは、1949(昭和24)年の12月に誕生しています。

まだ約70年しか経っていないんですね。

郵便制度創業:1871年(明治4)年~

郵便はがき:1873(明治6)年~

年賀郵便制度:1899(明治32)年~

発見した女性

本来は元日に書いて投函していたものが、元日に配達になったんですって

お年玉付き年賀はがきを考案したのは、林正治氏。

終戦後、消息が分からなくなった人の消息がわかればという思いから作られたそうです。

年賀状にくじや寄付金を付ければ夢があり社会福祉のためになると思い、自分で作成した見本の年賀はがき(賞品案を携えて)を郵政省に提出したという、なんとも実行力のある方なんです。

No.1な女性

思ったことを実現する、すごい方です。

お年玉付き年賀はがきの初代賞品
特等:ミシン
1等:純毛洋服地
2等:学童用グローブ
3等:学童用こうもり傘

 

憧れる女性

夢のある賞品ばかり~
純毛洋服地、こうもり傘、今ではほとんど耳にしない言葉で新鮮な響き♥

ちなみに2019年のお年玉付年賀はがきの賞品は、

お年玉付き年賀はがきの初代賞品
特等:東京2020オリンピック開会式または閉会式ペアチケット
東京2020オリンピック競技観戦ペアチケット
1等:現金30万円又は電子マネー31万円分
2等:ふるさと小包など
3等:お年玉切手シート

特等の2020東京大会のチケットは、オリンピック・パラリンピックイヤーならではの賞品ですね。

2018年の1等が12万円相当のセレクトギフトか現金10万円だったので、1年で20万円もアップしています。

賞品の豪華さに、年賀状離れが進んでいるんだな~と感じずにはいられません。

お金をちらつかせる女性

すごい賞品揃えました。

おまけ② ~他国にも年賀状の文化はある?

ところで、日本以外の国でも年賀状のやり取りをしている国はあるのでしょうか。

韓国・中国・台湾などには似たような風習があります。

中国などは新年よりも旧正月に重きを置いていますよね。

民族大移動のように国民が電車などで移動してる光景をニュースでみかけます。

絶望する女性

驚きの乗車率150%?(@_@;)

中国のHappy New yearカードはおめでたい色(金色や赤)で描かれていて、日本のように干支も描かれているものもあるようです。

アメリカや欧州では、クリスマスと新年の挨拶が一緒なので年賀状の文化はありません。

「Merry Christmas&Happy New year」(メリークリスマス&ハッピーニューイヤー)

12月に贈るクリスマスカードが日本でいう年賀状でしょうか。

海外では送る相手の宗教がわからない場合は、「Season`s Greetings」(季節の挨拶)を送ります。

年賀状を出す人が年々減ってきている日本のように、海外でもクリスマスカード離れは進んでいるようです。

駆け込む女性

簡単便利な方がやっぱりいい?